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2つの「修整業」

新潟県長岡市のアパレル衣類修整のプロ集団、山田修整有限会社社長の吉田です。「衣料品修整」=納品トラブル解決をサポートする経営者の立場から考えることを中心に書き留めています。

 

アパレル業界は、環境や社会に配慮したサステナブルなファッションを求める消費者のニーズに応えるため、さまざまな取り組みを始めています。その一つが「衣服の長寿命化」で、衣服を長く使うことで、新たな資源の消費や廃棄物の発生を抑える試みです。

 

衣服の長寿命化には、BtoCの「修整業」が重要な役割を果たします。この場合の「修整業」とは、購入済みの衣服のサイズ直しやリフォーム、ボタンやファスナーの付け替え、破れや穴の補修などを行う業種です。それによって、衣服の着心地や見た目を改善したり、新しいデザインに変えたりすることができます。別の言い方をするならば、衣服に新たな価値を付加し、消費者が長く愛用することが可能になるというわけです。

 

BtoCの「修整業」は、アパレル業界のサステナブル志向によって需要が高まっています。

 

例えば、ユニクロは2020年から「リメイク&リサイクル」プロジェクトを展開しており、古着回収した衣服を修整業者に委託してリメイクし、再販売しています。また、ジャパンサステナブルファッションアライアンス(JSFA)は2021年8月に設立された団体であり、「適量生産・適量購入・循環利用によるファッションロスゼロ」を目標として掲げています。JSFAに参加している企業は、修整業者と連携して衣服のリペアやリメイクサービスを提供することで、消費者に衣服の長寿命化を促しています。

 

われわれBtoBの「修整業」は、店頭に並ぶ前段階でB品を手直ししてA品に格上げすることによって、資源のロスを最小限にとどめる業種です。どちらの「修整業」も、環境や社会に優しいファッションを実現するために必要不可欠な存在です。