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リフレーミング:経営は自分との戦い

新潟県長岡市の衣類修整のプロ集団、山田修整有限会社社長の吉田です。「衣料品修整」=納品トラブル解決をサポートする経営者の立場から考えることを中心に書き留めています。

 

 

前回のブログで、わたしの長所・強みについての他者評価は「思いやり」だと書きました。でも、正直なところ、「経営者としての自分」は素直に喜べませんでした。なぜなら、わたしが持っている「思いやり」のイメージは「やさしさ」と結びついて、「良いものではあるけれど、それがメインでは厳しいビジネスの世界を生き抜いていけない」というものだったからです。せっかくの自分の資質を活かすには、「価値観のリフレーミング」が必要です。

 

価値観のリフレーミングとは、自分が持っている価値観や思い込みを見直し、よりポジティブな視点に変えることです。例えば、コップに半分の水が入っているのを見たとき「水が半分しかない」から「水が半分もある」という認識に、何かしら失敗したとき「失敗は恥ずかしいこと」から「失敗は学びの機会」という認識にに切り替える、というように・・・

 

わたしの場合は、3にんきょうだいの末っ子長男でおばあちゃん子だったこともあり、「やさしい」性格が育まれたと思いますが、当時に、時代や地域の目に見えない圧力から「生きづらさ」も感じてきました。あえて言葉にするなら、「やさしさだけでは生きていけない」「男は強くなければならない」「男は泣いてはならい」「男はべらべら喋るものではない」「やさしさと強さの両立は難しい」などです。

 

そんな思い込みがあったので、どこか「自分は経営者には向いてない」という想いがありました。それが、価値観のリフレーミングによって、「思いやり(やさしさ)を活かした経営こそ自分らしい経営スタイルで、周りの人や社会にも益をもたらす素晴らしいこと!」と思える自分に成長できたのは非常に大きなことです。

 

どんな人でも、生まれと育ちによってその人なりの「価値観」が形成されます。それが自分の足を引っ張る場合もあれば自分の背中を押してくれる場合もあります。普段あまり意識することはありませんが、「経営」においても、目に見えるスキルや手法以前に、自分の価値観を再確認することが成長のきっかけになることがあります。

 

「経営者」として、価値観のリフレーミングには次のようなメリットがあります。

 

 1)自分のビジョンや目標を明確にすることができる

価値観がネガティブだと、経営者は自分の可能性や希望を見失いがちです。価値観がポジティブだと、経営者は自分の可能性や希望を見出しやすくなります。

 

2)自分の能力や貢献を最大限に発揮することができる

価値観がネガティブだと、経営者は自分の弱みや欠点に囚われがちです。価値観がポジティブだと、経営者は自分の強みや長所に注目しやすくなります。

 

3)自分のチャレンジや成功を享受することができる

価値観がネガティブだと、経営者は自分の危機や失敗に恐れおののきがちです。価値観がポジティブだと、経営者は自分の危機や失敗に対処しやすくなります。

 

経営者は孤独な存在でもあります。だからこそ、「自分らしく生きること」と「健全な経営」「利益確保」が両立し、「義務感・苦痛」ではなく「ワクワク感・喜び」で進んでいくことを大切にしていきましょう。