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リーダーシップのあり方について

新潟県長岡市のアパレル衣類修整のプロ集団、山田修整有限会社社長の吉田です。「アパレル衣料品修整」=納品トラブル解決をサポートする立場から考えることを中心に書き留めています。

 

先日、社内リーダー研修の際に、トヨタイムズで公開されているトヨタ春交渉2020年第2回「ボスになるな リーダーになれ」から豊田氏が語るリーダーとボスの違いが紹介されました。以下は該当部分を抜粋したものです。

 

ボスは部下を追い立てる。リーダーは人を導く。

 

ボスは権威に頼る。リーダーは志・善意に頼る。     ボスは私と言う。リーダーはわれわれと言う。 

 

ボスは恐怖を吹き込む。リーダーは熱意を吹き込む。     ボスはやれと言う。リーダーはやろうと言う。

 

ボスは時間通りに来いと言う。リーダーは時間前にやって来る。  

 

ボスはやれと言う。リーダーはやろうと言う。  ボスはやり方を胸に秘める。リーダーはやり方を教える。 

 

ボスは仕事を苦役に変える。リーダーは仕事をゲームに変える。

 

ボスは失敗の責任をおわせる。リーダーは黙って失敗を処理する。

 

 わたしが興味深く感じたのは、実はこの部分ではありません。そうではなくて、最後に、豊田氏自身が友山副社長から「ボス」と呼ばれていること、しかも「大ボス」という呼び名もあることや、ルロワ副社長がポケットに「Don't please your boss!(ボスの言うことは聞くな)」というモットーを書いたものを携帯しており、「豊田氏のことをボスと呼んでいる」ことをあえて紹介したうえで、その現実をお伝えすることは今日の議論に対する私の真摯な感謝と述べて締めくくっていることでした。

 

 問題の本質は、単純に「ボス」という呼び名の問題ではなく、呼ぶ者と呼ばれる者の間の信頼関係や心理的安全性が担保されているかどうかが問われると思います。何よりも、トップ自らが常に組織全体の成長を念頭に自ら先頭に立って学び続け変わり続けることが大切だと考えます。

 

 もう少し大きな歴史の流れから見てみましょう。18世紀からはじまる「工業化社会」における組織形態は「官僚制」で、組織開発は「管理型」、キーワードは「計画・規則と権威・指示命令」でした。それに対して、20世紀からはじまる「情報化社会」における組織形態は「ネットワーク」で組織開発は「協働型」、キーワードは「共感・相互支援・自立・創造性・内省と対話」です。

 

 経営者には、そのような時代の流れと自社の組織としての成熟段階を踏まえつつ、自社の成長に向けた舵取りが求められています。