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映画「君たちはどう生きるか」が問うもの

新潟県長岡市 アパレル衣類修整のプロ集団 山田修整有限会社
アパレルものづくりを支えている人たちを支えるのが「修整」

新潟県長岡市のアパレル衣類修整のプロ集団、山田修整有限会社社長の吉田です。「アパレル衣料品修整」=納品トラブル解決をサポートする立場から考えることを中心に書き留めています。

 

1ヶ月前、宮崎駿監督10年ぶりの映画「君たちはどう生きるか」が2023年夏に公開されることが発表されました。

 

このタイトルは、宮崎監督が少年時代に読んで感動したという本、吉野源三郎著「君たちはどう生きるか」からきています。

 

その本の中には、「生産」と「消費」に関するこんな一節があります。

 

「生み出してくれる人がなかったら、それを味わったり、楽しんだりして消費することはできやしない。生み出す働きこそ、人間を人間らしくしてくれるのだ。・・・生み出してゆく人はそれを受け取る人々より、はるかに肝心な人なんだ。だから君は、生産する人と消費する人という、この区別の一点を、今後、決して見落とさないようにしてゆきたまえ。」

 

日本のアパレル業界は、ユニクロやZARA(ザーラ)などを筆頭に、ファストファッションの高品質化が進んでおり、年々消費者の低価格志向が進んでいるのが実情です。もはや「安かろう悪かろう」の時代ではありませんが、激安海外通販サイトとして注目を集めている中国のSHEIN(シーイン)など、最新のトレンドを取り入れた低価格の衣料品を短サイクルで大量生産・販売する側の戦略の先には、衣料品を短サイクルで次々と乗り換えていく消費者を想定しているのは間違いないでしょう。「低価格・短サイクル・大量生産する販売者」と「購入しては捨てる消費者」、この連鎖のどこに「生産者へのリスペクト」が存在するのでしょう?

 

山田修整の経営理念には、「人・商品が持つ真価を社会に循環させる価値縁ファミリーとなり」というくだりがあります。それは、日本のアパレルものづくりを支えている人たちを支えたいという想いからです。サスティナブルファッションの実現のためにも、日本のアパレル業界における「つくる喜びの回復」は忘れてはならない視点であると考えます。