こんにちは。新潟県長岡市の衣類修整のプロ集団、山田修整です。
わたしたち山田修整有限会社は、繊維の産地だった新潟県長岡市(旧栃尾市)で創業して57年。織物・ニット商品の製造工程に関連するトラブルに対処して商品を生かすことに日々全力を尽くしています。「修整」は、そのままでは納品不可とされる「B品」をなんとか生かそうとする仕事です。
今回は、【修整豆知識】吸水繊維と吸湿繊維についてご紹介します。
吸水繊維と吸湿繊維
以前に“朝シャン・タオル”が流行しましたが、記憶にある方もいらっしゃるかと思います。
朝に洗髪をしてスッキリと出かけようということですが、若い人たちを中心に支持され、朝シャンの流行語にもなりました。それを機に朝の忙しい時間帯に洗髪をし、濡れた髪の毛の水分を吸い取ってくれる朝シャン・タオルが開発されました。この正体は、吸水性のよいタオルのことです。
吸水性をよくするためには、繊維に加工を施します。その方法には、物理的な方法と化学的な方法があり、物理的な方法としては毛細管現象を利用すること、科学的な方法としては親水性の化学物質を繊維に付加することが挙げられます。
しかしながら、化学物質を利用すると、時間の経過とともに効果が薄れたりするため、物理的な毛細管現象を利用したものが多く見かけられました。
吸水と吸湿のちがい
吸水と吸湿は、何がちがうのでしょうか。
先に結論を申し上げますと...
吸水は、液体の水を吸い込む現象であり、吸湿は、水の気化した水蒸気を吸い込む現象です。
液体か水蒸気かによって両者を判別することができます。
したがって、朝シャン・タオルのような繊維は、吸水性のよい繊維を使用し、スポーツのように汗を素早く通過させたり繊維間に含んでしまうような繊維は、吸湿性のよい繊維を使用してます。
吸水性をよくするためには、繊維自身に小さな孔をたくさん開けたり、繊維を中空にするなどの特殊な紡糸を行っています。近年では、繊維一本を、中が空洞(中空)で細かい穴(微細孔)のある形状に作れるようになり、吸水ポリエステルなどの合成繊維が今まで不可能だった機能をもち始めています。