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【修整用語】KES

こんにちは。新潟県長岡市の衣類修整のプロ集団、山田修整です。

 

わたしたち山田修整有限会社は、繊維の産地だった新潟県長岡市(旧栃尾市)で創業して57年。織物・ニット商品の製造工程に関連するトラブルに対処して商品を生かすことに日々全力を尽くしています。「修整」は、そのままでは納品不可とされる「B品」をなんとか生かそうとする仕事です。

 

今回は、【修整用語】KESについてご紹介します。

新潟県長岡市 衣類修整のプロ集団 山田修整有限会社
KESでは、風合いを数値化します

KES(Kawabata's Evaluation System)

KESは、多方面からの微少な力学的変形による生地の物理性能を測定し、単独性能と複合・総合性能を解析することにより、具体的な生地の風合いの代用特性値として使用されます。

 

測定する計測装置は、

①引張り特性

②せん断特性

③圧縮特性

④曲げ特性

⑤表面特性(表面粗さ、動摩擦係数など)

です。

 

これらの物理特性を測定し、生地の風合いのレベルを決めようとするものです。このためには、風合い自身が曖昧としていますので、更に具体的な風合いを探さなければなりません。

そこで、多くの生地を取り扱う専門家の協力を得て、“ぬめり”、“こし”、“ふくらみ”という基本風合いを作りました。なお、夏物には“シャリ”を入れます。

 

この基本風合いを専門家にレベルを付けてもらい物理特性と対応させて、各用途別の基本風合い式及び総合風合い式を作りました。

例えば、紳士服の“こし”の式があり、測定した生地が紳士服の“こし”に適合するか判定することができます。また、具体的な数値のレベルでどのくらいかを判定できるのです。

こうして、曖昧な風合いという特性を数値化し、企業の中で風合いの品質までも管理しようとする試みが行われています。