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「修整における専門性」について

新潟県長岡市 衣類修整のプロ集団 山田修整有限会社
修整における専門性ってなんだろう?

新潟県長岡市の衣類修整のプロ集団、山田修整有限会社3代目社長の吉田です。「衣料品修整」=納品トラブル解決をサポートする立場から考えることを中心に書き留めています。

 

「修整における「専門性」ってなんだろう?」この問いは、入社してから度々自問自答してきました。お客様から「匠の技ですね」と言っていただくこともありますが、時々テレビで放映されるような、個人の思い入れのある商品を見事キレイに直す「汚れ落とし」や「キズ直し」とは違い、依頼の大半が量産品の納品トラブルなので、ゴールも異なります。

 

変な言い方ですが、目の前の1枚を極力キレイに直すことではなく、目の前にないA品との差異をイメージしながら全体バランスをとることが修整のゴールになります。とはいえ、もちろんキレイに直せるスキルがあってこその話ですが・・・

 

スペシャリストか?ジェネラリストか?という問いも個人的にはしっくりきません。そもそも「修整」における「色・キズ・汚れ・縫製など」各欠点すべての分野でスペシャリストであるスーパーマンはおらず、「色」ならAさん、「キズ」ならBさん、「汚れ」ならCさん、「縫製」ならDさん・・・というように、個々人が複数のスキルを習得する努力をしながら互いを認めあって協力し合うという方がより現場実感に近いです。

 

求められる修整の難易度は年々ハードルが高くなり、仕上がりグレードも文句なしの合格点をつけるにはやや難ありのグレーゾーンが増えてきている印象はあります。同じものは二度とこない一期一会の仕事であるからこそ大切なのは、「商品を生かすことを依頼主より先にあきらめないこと!」その意味では、個人的には「粘リスト(ネバリスト)」なんていう造語の方がしっくりくるなと思います。