こんにちは。衣類修整のプロ集団、山田修整です。
わたしたち山田修整有限会社は、繊維の産地だった新潟県長岡市(旧栃尾市)で創業して57年。織物・ニット商品の製造工程に関連するトラブルに対処して商品を生かすことに日々全力を尽くしています。「修整」は、そのままでは納品不可とされる「B品」をなんとか生かそうとする仕事です。
今回は、麻の歴史についてご紹介します。
麻の歴史
私たちは、四季折々の気候の変化に合わせて、様々な素材で作られた繊維製品を着て身体を調節しています。
ここでは、日本ではどのような衣類が着られてきたのか衣類の歴史を見ていきましょう。
繊維素材の歴史で、古くから使用されている順にたどってみると、何といっても早くから生活に溶け込んでいた素材は麻です。
九州の一部の地域の縄文時代晩期末の遺跡から麻と思われる繊維痕のある縄文土器が土出しています。織り布説もあるようですが、編み布の方が確実なようです。もともと漁網を作るのに編み技術を作り出し発展させていったものともいわれています。
日本では、麻の中でも大麻(幻覚作用を起こす成分を多く含むインドタイマとは異なります)が中心でしたが、ちょ麻(からむしと称していました)のほか、葛(クズ)などの植物の繊維を取り出して利用することも広まっていったと考えられています。
絹および絹織物の技術が日本に伝来してくるまでは、麻は最も重要な繊維材料でした。
絹や絹織物が伝来しても、時の権力者や貴族といった階級の人たちが身にまとうもので、大半の庶民は麻を衣料材料として使ってきました。
麻は、絹が普及し始める江戸時代になって初めてその首位の座を明け渡し、以降、減少の一途をたどりました。
現代では、軽量性、涼感が見直され、夏用衣料の素材として麻(亜麻、ちょ麻)の用途を広げる努力が実りつつあります。