こんにちは、新潟県の衣類修整のプロ集団、山田修整です。
わたしたち山田修整有限会社は、繊維の産地だった長岡市(旧栃尾市)で創業して57年。織物・ニット商品の製造工程に関連するトラブルに対処して商品を活かすことに日々全力を尽くしています。「修整」は、そのままでは納品不可とされる「B品」をなんとか活かそうとする仕事です。
今回は、繊維の形状と種類についてご紹介します。
糸の形状と種類
1.フィラメント糸(長繊維糸)と紡績糸(スパン糸)
糸を構成する単繊維の長さに基づく糸の分類で、長繊維からなるフィラメント糸と短繊維からなる紡績糸があります。
フィラメント糸には1本のフィラメントからなるモノフィラメント糸と、数本以上のフィラメントからなるマルチフィラメント糸があります。
紡績糸はステーブルを紡績して製造した糸です。
2.仮撚加工糸
仮撚スピンドルとヒーターにより、ナイロン等のフィラメント糸に、仮撚⇒熱固定⇒解撚の作用を与え、糸に捲縮を発生させ、伸縮性を持たせた糸をいいます。ウーリー加工糸とも呼ばれます。
3.混繊糸
2種類以上のフィラメントを揃え、1本のフィラメント糸としたもので、異種類の混繊、同一種類で異繊度の混繊、異収縮性繊維の混繊などがあります。
4.片撚糸、諸撚糸
フィラメント糸で使われる用語で、片撚糸は無撚の糸にSまたはZのいずれかの撚を入れた糸のことです。
諸撚糸は片撚糸を引き揃え、片撚と反対方向の撚を入れた糸のこと。2本引き揃え糸の場合、2本諸撚糸あるいは二子糸と言い、3本の場合、3本諸撚糸あるいは三子糸といいます。
5.単糸、双糸
紡績糸で一般に使われている用語で、単糸は1本からなる糸で、双糸は単糸を2本揃えて撚りをかけた糸のことです。
双糸の撚は単糸と反対方向の撚をかけるため、撚バランスがとれ、双糸使いの織物やニットは布の変形が少ないという特徴があります。
6.カード糸、コーマ糸
精梳綿(コーマ)工程を通さないで作った糸をカード糸といいます。紡績工程においてカーディングのみを行った糸のことです。カーディングとは、不純物を除去し繊維を一定方向に揃えるための作業で、綿紡績の工程においては必ず行います。
対になる語にコーマ糸がありますが、綿糸のうち、短繊維を除去する精梳綿(コーマ)工程を通して作った糸で、こちらはカーディングに加えコーミングを行った糸のことを指します。短繊維、毛羽、むらがカード糸に比例して少ないという特徴があります。