こんにちは、新潟県の衣類修整のプロ集団、山田修整です。
わたしたち山田修整有限会社は、繊維の産地だった長岡市(旧栃尾市)で創業して57年。織物・ニット商品の製造工程に関連するトラブルに対処して商品を活かすことに日々全力を尽くしています。「修整」は、そのままでは納品不可とされる「B品」をなんとか活かそうとする仕事です。
今回は、皆さんが普段着ている洋服に使用されている繊維の種類について、詳しく解説していきます。
「どんな種類の素材が洋服に使われているのか」知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
繊維の種類
わたしたちの日常に欠かせない「洋服」。
洋服のもとになる繊維には、様々な種類があります。
繊維の種類は大きく分けて2種類
繊維の種類は、「天然繊維」と「化学繊維」の2種類に分類することができます。
天然繊維
天然繊維は、その名の通り綿、麻、絹、羊毛のように天然に繊維として存在しているものを取りだし利用したものを言います。 綿や麻などの植物を由来とする「植物繊維」、羊毛(=ウール)や絹などの動物を由来とする「動物繊維」、石綿を由来とする「鉱物繊維」に分かれます。
化学繊維
化学繊維は、主原料が石油・人工的に作られる高分子からなり、大きく『再生繊維』と『合成繊維』の2種類に分けられます。 レーヨン・テンセルは天然の木材などから精製された『再生繊維』、ポリエステル・ナイロンなどは、石油系を原料とする『合成繊維』です。
繊維は「天然繊維」と「化学繊維」の2種類に分けられることが分かりましたね。
では、それぞれの繊維についてもっと詳しく見てみましょう。
天然繊維の種類(3種類)
植物繊維
・種子毛繊維
(綿(綿花)、カポック、パンヤ)
・靭皮繊維
(亜麻、苧麻、大麻、黄麻)
・葉脈繊維
(マニラ麻、サイザル麻、パイナップル繊維、芭蕉繊維)
動物繊維
・動物毛繊維
(羊毛、アンゴラ、カシミヤ、モへア、らくだ、アルパカ、ビキューナ、ラマ)
・絹繊維
(絹〔まゆ繊維〕家蚕、野蚕)
・羽毛繊維
(ダウン、フェザー、その他の羽毛)
石綿(アスベスト)
・石綿
化学繊維の種類(4種類)
再生繊維
<セルロース系>
・ビスコース繊維
(レーヨン、ポリノジック)
・銅アンモニア繊維
(キュプラ)
・その他の繊維
(リオセル、テンセル)
半合成繊維
・セルロース系
(アセテート、トリアセテート)
・たん白質系
(プロミックス)
合成繊維
・ポリアミド系
(ナイロン、アラミド)
・ポリエステル系
(ポリエステル)
・ポリアクリロニトリル系
(アクリル、アクリル系)
・ポリビニルアルコール系
・ポリ塩化ビニル系
・ポリ塩化ビニリデン系
・ポリオレフィン系
・ポリウレタン系
・ポリ塩化ビニル
・ポリフルオロエチレン系
無機繊維
・ガラス繊維
(ガラス)
・炭素繊維
(炭素繊維)
・金属繊維
(ステンレス、スチール繊維、金糸・銀糸など)
・岩石繊維
(ロックファイバー、ロックウール)
天然繊維(3種類)、化学繊維(4種類)について、それぞれ詳しく見てきました。
洋服をつくるときに欠かせない繊維たち。「繊維にはこんなにも種類があるのか」と驚いた方もいたのではないでしょうか。
今回は、繊維の種類のみを紹介しましたが、これらの繊維はまた一つ一つ異なった特徴をもっています。
どの繊維を使うかによって、その洋服着心地・風合いなどまったく違うものになり、様々な特徴のある洋服を生みだすことができるのです。次回の「修整豆知識」では、それぞれの繊維の特徴について解説していきますので、ぜひチェックしてみてください。
アパレルの世界は、繊維のことを知れば知るほど奥が深いですね。これを機に、修整について少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。